すみれニュース(vol.411)2020年2月28日

 2月が終わり、年度最後の月である3月が始まろうとしています。子どもたちは進級や進学を目前に控え、大きく成長した姿を私たちに見せてくれています。

 年度が始まったばかりの4月には、お家の人に会いたいと毎日泣いていた子。そんな子が今では元気にこども園に登園して楽しそうに遊んでいます。また、一人遊びばかりだった子、好きなおもちゃをお友達と一緒に使えなかった子が、今では大好きなお友達と一緒に遊ぶことを心から楽しみ、時にはおもちゃを譲り合って、共に何かをする楽しさを見つけています。

 お友達と楽しい時間を自分で作り出す、社会性や共同性は、こども園の中で日々豊かに育まれています。そんな成長している姿の一場面を紹介したいと思います。

 

 2月26日のお楽しみ会の日のことです。お楽しみ会では、子どもたちが大好きな給食作りに挑戦します。給食のメニューは、カレーライス、コールスローサラダ、フルーツポンチです。そして、作った給食は、学年やクラス関係なく、好きなクラスで食べることができます。

 子どもたちは、そんなお楽しみ会をとても楽しみにしていたようで、朝からわくわくしている様子でした。ある子が私に言いました。

 「わたしは今日お野菜を洗うんだよ」

 その言葉をきっかけに、周りの子たちも喜々として話始めます。

 「ぼくは野菜を切るんだ!」

 「今日はねこぐみで給食を食べるんだよ!」

 「みんなはどこで食べる?すみれぐみさんで食べる人手あげて!」

 最初は私に話しかけてきたのに、いつの間にか子どもたち同士で話が盛り上がっていました。

 どこで食べるかと質問をみんなに投げかけていたのは年長さんの男の子です。楽しそうに手をあげる子の中には年中さんも年少さんもいました。話が盛り上がると、どうしても話がうまく話せない年少さんは、会話に遅れがちになってしまいます。私は、年少さんの言葉を拾ってあげようと、声を出そうとしました。しかし、年中さんの女の子が年少さんの言葉を拾って、年少さんを会話の中に自然と入れてくれました。

 ささいな瞬間ではありましたが、お友達と楽しい時間を自分で作り出していた姿に、社会性と共同性の成長を感じることができました。

 

 日々の生活の中で交わされる何気ない会話の中に、成長のもととなる事がたくさんあります。私たちは、このささいな成長のきっかけを大切にし、子どもたちが大きく成長できる場所をたくさん提供していこうと思います。

 

                                               じむ おおさきともよ

 

みんなでじょうずにつくれました!

 

スプーンをつかってバナナをきりました!